日本史オンライン講座 秦野&松本

大学講師秦野裕介と高校教師松本恵司のコラボによる日本史オンライン講座。秦野先生が解説する「研究者と学ぶ日本史」、そこで学んだ知識を高校生向けにアレンジして松本が作った「高校生のための日本史」があります。
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高校生のための日本史講座35 両統迭立・下地中分

「両統迭立」と「下地中分」は、教科書的には有名な単語です。太字で説明も数行にわたって書いてあります。、具体的にはどのようにするのか?が書かれていないので、高校生にはわかりにくいところです。高校生が覚えるのは「大覚寺統と持明院統が交互に皇位に就く」「荘園を地頭と領家が分割する」という程度でしょう。

両統迭立の方は、上皇・在位・生没年の入った系図をゆっくり見ていくと、皇太子の奪い合いであることがわかります。①皇太子をとる ②皇太子を即位させる ③その結果、上皇が治天の地位を得る というメカニズム。そして、このメカニズムがどのような動機によって、特定の年に発動されて皇位の異動が起こるのか。天皇崩御の場合もありますが、ほとんどは譲位。その年に、譲位が行われたのは何故か。何故、対立する相手に皇位を譲るのか、ここの理解が難しい。

荘園の下地中分は、王家領矢野荘を六波羅探題の裁定にもとづいて、公文の寺田氏と地頭の海老名氏が実務的に分割する例で説明。この後、領家方が東寺に寄進されたため、東寺と寺田法念が衝突します。東寺と寺田一族の対立に有力農民層がからんで繰り広げられる人間ドラマ。中世の村で起きた人間ドラマが記録されている地域は珍しい。こういう記録が残ったのは、東寺百合文書のおかげ、さらにいえば、後宇多上皇が矢野荘を東寺に寄進してくれたから。

今回の動画は、東寺が矢野荘の経営に乗り出し、それまで公文職にあった寺田一族を排除しようとするところまでです。

 

 

2019.11.13 Wednesday