日本史オンライン講座 秦野&松本

大学講師秦野裕介と高校教師松本恵司のコラボによる日本史オンライン講座。秦野先生が解説する「研究者と学ぶ日本史」、そこで学んだ知識を高校生向けにアレンジして松本が作った「高校生のための日本史」があります。
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VoiceTra  てまきねこ2018.05

私たちが大学を受験した頃、入試は英文解釈が中心でリスニングはなかった。英語会話を学ぶかどうか迷ったものの、社会科の教師になったので英語ができなくても困らない。時間は歴史や政治経済の本を読むために使い、英語会話は放置したまま40年が経過した。

ところが、矢野荘で歴史ウォークを企画するようになると、英語ができないのはまずいかなと迷い始めた。通訳を雇うと費用がかかるし、今さら英語に時間をかける気にはならない。矢野荘ツーリズムのターゲットは歴史好きの日本人だから、外国人はお断りにしても支障はないかと考えていたところ、VoiceTraという音声翻訳ソフトを知った。開発は国立研究開発法人のNICT。

さっそくスマホに無料でダウンロードして使ってみる。英語・フランス語から中国語・インドネシア語まで30か国語が対象。日常会話は完ぺきに翻訳する。荘園と消炎を間違うが、鳥羽上皇や美福門院は間違わない。素晴らしい。AIで賢くなっていけば歴史ガイドもこなすようになるだろう。有料のサービスではTOFELで900に達するものもあるらしい。高校の英語の先生に近いレベルである。

日本語と英語・フランス語は文法が異なるので、日本人が英語を習得するためにはフランス人の4倍の時間が必要といわれる。小学校で英語の授業を始めようというこの時期に、音声翻訳が完成したのは皮肉なことである。これからは、日本語の知識や論理的な思考力が大切になってくる。英語より日本語で本を読んだり討議したりする授業を増やすべきなのかもしれない。

機密文書を米国や中国のソフトで翻訳するようになるのは避けたい。国産のVoiceTraを使ってNICTを応援しよう。

 

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2019.11.21 Thursday